1900年代初期はモーターレース用のウェア、そして戦時中は空軍のフライトジャケットを生産していました。戦後は再びレースジャケット作りにシフト、1956年、我々のルイスレザーズの歴史においてエポック・メイキングと呼ぶにふさわしいライダーズ“ブロンクス”が誕生しました。
ブロンクスは実に英国らしいデザインでした。例えばサイズ感。映画『イージー★ライダー』でお馴染の“チョッパーズ”もそうだが、米国のライダーズは身幅も肩部分にもゆとりを持ってデザインされている。全身で風を受けて走り、風の中に人生の目的を見い出す彼らには、それがうってつけでした。しかし、英国のバイカーはスピードを競い、オイルタンクに身体を密着して走る。それゆえ、風の抵抗を受けにくいジャストサイズが好まれたのです。こうした走りのスタイルは、ディテールにも表れています。
“ブロンクス”の特徴であるが、タンクを傷つけないように、ベルトのバックル部分にレザーを搭載。さらに、腕につけられた小さなポケット。英国のチケット文化でルイスレザーズがオリジナルで開発した収納機能である。この“ブロンクス”を“59クラブ”というユース・クラブ(当時の英国暴走族)のリーダーが代々着用。そこに集まるバイカーやロッカーズもこの“ブロンクス”に憧れ、愛用していった。
次のエポック・メイキングは1962年の“ライトニング”というジャケットです。ご存知の方も多いと思いますが、この“ライトニング”は若き日のジョン・レノンがステージで好んで着用したジャケットであります。そして、ピストルズ、クラッシュ、ダムド、ラモーンズといったパンク・ムーヴメントの牽引者も着た。ところで、この“ライトニング”にも、腕にポケットが付けられています。これが、ミュージシャンがギターを抱えた時に観客の目に映り、ルイスレザーズを着ていることの証明になった。そして、世界中のロック・キッズは、こぞってこの“ライトニング”を欲しがったといいます。
もちろん、ルイスレザーズは進化をやめない。コムデギャルソンジュンヤのコラボももちろんエポックメイキングであります。
1956年以前。そう、ロックが誕生するよりも前の時代から堀り起こされたモノたちが、今という時代にどんな空気を放つのか。。これからもドキドキさせて欲しいですね!